
最適な蓄電池
種類を知って最適なものを選ぶ
蓄電池を導入するにあたって気になる点のひとつが「寿命」ではないでしょうか。一度設置すれば永遠に使える、というものではありません。これは消費者一般の方でもご存知の通り、充電式の乾電池を連想すれば分かりやすいのではないでしょうか。携帯電話のバッテリーも次第に弱くなってしまいますよね。蓄電池にも全く同じことが言えます。
蓄電池の寿命というのは、種類、そして使用環境、状況、さらには保守条件といった外敵な要因が大きく関わってきます。特に種類による寿命の違いはかなり顕著。そのため、できるだけ長寿妙な蓄電池を選びたいのなら、種類から考えていく必要が出てきます。
一般的な蓄電池の寿命は「充電」「放電」をひとつのサイクルとした「サイクル回数」によってある程度目安が決められています。特定の条件下であればこのサイクル回数分は蓄電池を使用することができる、とも言えます。とはいえ、全く同じ条件で使い続けることは現実的にはほぼ不可能ですので、多くの蓄電池メーカーは「サイクル回数」の表示ではなく「使用期間の目安」を表すことが多いようです。 ここでは各種蓄電池の大まかな寿命を紹介していきたいと思います。
鉛蓄電池は数ある蓄電池の中で最も古い歴史を持っています。コスト面に優れていると同時に、安全性の高い、ということで、自動車のバッテリーやパソコンやサーバーのバックアップ用電源といった様々な場面で使用されています。 商品によって異なりますが、大まかな鉛蓄電池の寿命は17年ほど。サイクル回数は3150回前後だと言われています。これは他の蓄電池の種類と比較してみてもかなり長寿命な部類に含まれています。 蓄電池は充電や放電する際に劣化する、というよりは過放電したときに金属部分に強い負担がかかってしまい、これによって著しく劣化するケースが多々見受けられます。
少しでも鉛蓄電池の寿命を伸ばすためには「放電した後はできるだけ早く充電するようにする」「過放電が生じないように適切な使用環境を意識する」この2つを守ることが有効だと言われています。 各蓄電池には出力の上限などが記載されています。それを超えるような使い方をしなければそうそう過放電は生じないのでこの点を強く意識しておけばOKでしょう。基本的に寿命の長い蓄電池のタイプになりますので、長期間の運用を意識している方は鉛蓄電池がおすすめです。コストも安いので良いですね。
家庭用蓄電池、そして産業用蓄電池のどちらにも幅広く利用されている蓄電池の種類として「リチウムイオン電池」が挙げられます。こちらは、ノートパソコンや携帯電話などにも利用されるケースが多く、私たちの身近な蓄電池だと言っても良いでしょう。 リチウムイオン電池の最大の魅力はなんと言ってもコンパクトに作れる、ということです。そのため、従来であればかなり大型な蓄電池でなければ確保出来なかったような容量や出力もコンパクトにまとめられるので、製品化しやすいのが特徴です。 一般的なリチウムイオン蓄電池の寿命を見てみると、サイクル回数が3500回前後、使用年数は大体6年〜10年くらいだとされています。先程紹介した鉛蓄電池と比較すると少しもの足りなく感じられるかもしれませんね。
さらに、リチウムイオン蓄電池は保存状態、充電方法によって寿命が一気に縮まってしまうこともあります。例えば、過充電。これはすでに充電されている状態にもかかわらず、再度充電してしまった場合に起こる寿命の低下です。また、鉛蓄電池と同様、過放電も寿命を縮めてしまいます。 太陽光発電システムとセットで導入するのならあまり適してはいないかもしれませんが、省スペースで手軽に設置できる蓄電池を探している方にとってはベストな選択になりそうです。最近では導入コストもかなり下がってきているのも嬉しいポイント。とはいえ蓄電池の中では最もコストがかかるといわれているので、しっかりと検討しましょう。