最適な蓄電池
種類を知って最適なものを選ぶ
家庭用や、産業用に蓄電池を設置する際、どの商品を選ぶのが良いのかなかなか決められないこともあります。それだけ数多くのメーカーから販売されているわけです。商品やメーカーによって特徴が異なるのはもちろんなのですが、蓄電池にはいくつかの種類があります。これらの種類を大まかに把握しておくことで、利用目的に合わせた蓄電池の導入ができるようになります。種類によって特徴やメリット、デメリットが変わってくるので、よく考えた上で購入・導入を検討していきたいものです。
なお、蓄電池にどれだけのエネルギーを蓄えることができるのか、については「電池容量」で決定されています。一般的には家庭用のものは1.5〜5.0KW、産業用のものは1.5〜20.0KWの幅があります。もちろん電池容量が大きい方がたくさん充電できるわけですので使い勝手が良いのは間違いありませんが、必要以上に充電するのも考えものです。ですので、コスト面を考慮すると家庭用のために産業用蓄電池を導入するのはあまりおすすめ出来ません。具体的にどのような蓄電池を設置するのが良いのかよく分からない方は業者に相談して最適なものを紹介してもらうのが良いかと思います。
鉛電池
鉛電池は二酸化鉛(+)、鉛(-)、希硫酸(電解液)から構成されている蓄電池です。非常にコストが安く、同時に信頼性が高い、ということで幅広く活用されている、言わばもっともメジャーな種類だと言えるでしょう。よく利用されている場面としては車のバッテリーやパソコンやサーバーなどのバックアップ電源などが挙げられます。もちろん、家庭用・産業用の蓄電池などで使用されていることも多いです。充電速度や出力、容量に関しては平均的だと言えるでしょう。
ニッケル水素電池
ニッケル水素電池はオキシ水酸化ニッケル(+)、水素吸蔵合金(-)、アルカリ水溶液(電解液)から構成される蓄電池です。こちらの最大の特徴は充電と放電が早い、ということ。もちろん商品によって異なるのですが、3時間の充電で20時間分の放電ができる、といったタイプのものも多いです。家庭用蓄電池として活用されるよりは、乾電池やハイブリッドカーなどで使用されることが多いようです。もちろん、この種類の家庭用蓄電池も販売されています。効率良く充電、放電するのに適しているので、太陽光発電などと相性が良いとも言われています。
リチウムイオン電池
リチウムイオン電池は硫黄(+)、ナトリウム(-)、β-アルミナ(電解液)から構成されている蓄電池です。身近なものとしては携帯電話のバッテリーに使用されていることが多いです。充電速度はもちろんですが、多くの電気を出力できる、安定した出力が可能、というのが最大の特徴だといえます。家庭用蓄電池はもちろん、産業用蓄電池にも幅広く利用されています。蓄電池の導入を検討しているけれど、どの種類が良いのか分らない、という方はリチウムイオン電池を選べばまず間違いないと思います。
NAS電池
NAS電池は硫黄(+)、ナトリウム(-)、酸化アルミ(電解液)から構成されている蓄電池です。最大の特徴は寿命がとても長いこと、そして電池の容量が大きいことが挙げられます。そのため、より多くの電気が必要となる産業用蓄電池として活用するのが最も相性が良いのではないかと言われています。また、寿命の長さを活かしてバックアップ用の電源としても広く使われています。
このように、蓄電池の種類にはいくつかのタイプがあることが分かります。もちろん、ここであげたものはあくまでも代表的なものであり、他にも種類があります。また、今後新しいタイプの蓄電池も登場してくるでしょうから、その都度、利用状況や利用目的に応じて最適なものを選べるようにチェックしてみましょう。